三井記念美術館で開催中の「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展を見に行ってきました。
ヨーロッパの古窯、ロイヤル・コペンハーゲン、マイセン、セヴールといった有名所の20世紀初頭アールヌーヴォー期に作られた磁器のコレクション展です。
アール・ヌーヴォーがメイン、それも磁器だけまとめて、という展示も珍しいなと気になっていました。
こういうきらびやかでロマンチックな造形品を見ているとなぜか、
「おほほ。あらやだわ奥様ったら」というような気分になります。
(奥様でもなんでもありませんが。)
さて、
動植物のかたちの造形と、磁器ならではの色彩やその加飾技法に注目です。
こちらは昔から人気の白クマくん。(職人さんのお名前もベアさんです。)
氷が張ったような淡い色の結晶釉の海を覗き込んでいます。ロイヤル・コペンハーゲンの90年ほど前の作。
サギが3羽ついたメリーゴーラウンド見たいな置物。こちらもデンマークの窯のもの。
高さ50cmもあり結構な迫力。
多分アオサギでしょうね。キリッとした顔と立ち姿。そして可愛く片足立ち。
ランのような花と葉っぱの組み合わせ。
この形にするのにどれだけのパーツを組み合わせているのでしょうか。
すっきりとしたブルーの釉下彩に控えめな金彩のラインが綺麗でした。
こちらも「センター・ピース」でした。食卓の真ん中にこれが置いてあったらと考えると、ちょっとハラハラドキドキします。(この上にフルーツなんて乗せないでね!)
こういう精巧なものを作れる人って、どんどんリアリティを追求していく傾向にあるような気がしますね。(特に男性に多いような・・。)
他にもカニとか、バッタとか、オコゼとか・・・。ただリアルすぎるものは少し気持ち悪いです。あといろんな色を使いすぎているものも・・。
(ヨーロッパではデザイナーと職人は昔から分かれていましたので、実際は職人が作るのですが。)
彫刻や工芸品は写真で見るだけだと、そのものの持っている情報が半分ぐらいしか得られないなと思うので、(だって平面じゃないもん!)機会があれば自分の目で見たいです。細部にいろんな発見があると思います。